光を見ている

まるっと愛でる

繋がり

 

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久しぶりにすばるさんが歌う姿を見たように思います。関ジャムでのLIFE以来、実に約10か月ぶりでしょうか。関ジャニ∞を背負わないで立つ姿を見るのはこれが初めてかもしれないです。

 

 

 

 

ASIAN KUNG-FU GENERATIONをご存知でしょうか。言わずと知れたロックバンドです。「リライト」「ソラニン」などの有名曲を多く持つバンドです。私は「フィードバックファイル2」辺りをリアルタイムで聴いていました。

アジカンのボーカルギターの後藤さんは、Gotch名義でのソロプロジェクト行っています。それまでアジカンの中にいる後藤さんの歌しか知らなかったので、初めて聴いたとき、あまりにやわらかい音と歌声に衝撃を受けたのを覚えています。まるで後藤さんの内臓を見せられたような、プライベートな生々しいものを見せられているような恥ずかしさ、若干の居心地の悪さ、こんなものも好きだったんだと、知らなかった一面を見れた喜びを感じました。

 

 

 

映像の中ですばるさんが歌うのを見て聴いて、その時と同じような感覚を覚えました。そして、私は自分が思っていた以上にすばるさんのことを知らなかったんだなと思いました。私が知っていたすばるさんは、年々丸くなっていったとは言え、長年関ジャニ∞の心臓としてフロントに立ってきた鋭さをずっと持っている、そして一人で立ち、話すにはどこか危なっかしさがある人でした。

あの歌を聴いて、すばるさんのやわらかい部分を見せられて、言葉という脳みそを見せられて、いよいよ、というかやっと、すばるさんがアイドルから旅立っていったことを理解しました。

最初は外から与えられた言葉だったものを、時間、経験、思いを確実に積み重ねて、やがて替えの利かない自分たちの血肉に、歴史に、言葉に、思いにしていく。その過程がアイドルであり、まさにあの時のLIFEでそのことを思い知らされました。

これからすばるさんが歌って表現するものは、初めから自分の内側で生み育てたもので、そして初めから終わりまでずっとすばるさんのためのものなんだろうなと、やっとわかりました。

 

 

 

 

 

 

私は、「今の」関ジャニ∞は6人だということは割と早い段階で受け入れられた方だと思います。時間が全てではないことは承知の上ですが、私は関ジャニ∞のファン歴としては7人時代よりも6人時代の方が既に長いです。私は今の関ジャニ∞が好きです。でも、7人でいたあの3か月をファンとして追いかけられたからもっと関ジャニ∞を好きになったと思うし、あの事がなかったら関ジャニ∞のファンになっていたのか。もしかしたらそうではなかったかもしれません。

 

 

 

 

すばるさんは関ジャニ∞であったことを抱えたままこれからも歌い、関ジャニ∞はすばるさんがいたことを切り捨てることなく抱えたままこれからも歌っていく。ジャニーズ史上一番円満な関係だと言われていて、私もそうだと思うけれど、正直その関係性が理解できなくて、少し戸惑っていました。それはただ私が不器用なせいです。完全に別の道を歩くことを決めた、村上さんの言葉を借りると袂を別つ決断をしたのに、関ジャニ∞は7人だと思っていると言う。関ジャニ∞をもう6人としか見ることができなくなり、すばるさんがいる7人の映像を見るのが辛くなってしまった私は、勝手にすばるさんを切り捨ててしまっていた気がして、とても申し訳ない気持ちになりました。

 

 

あの映像の中ですばるさんは大人に囲まれて、一人で周りの人と会話して、文字に起こせば標準語になる言葉を話して。でもイントネーションは確かに関西弁のままで。そしてテレビで見る関ジャニ∞の6人もいつも通りに関西弁を喋っている。

何か、それに気づいたら気が楽になったと言うか、だいぶ目に見える繋がりに固執していたなと思いました。そして自分が思っていた以上に、やっぱり別れが寂しかったんだろうなとも思いました。しかし、6人とすばるさんは同じ言葉を話すし、音楽という同じ言葉も持っている。全て続いていることなんだと。

 

 

 

 

実は、関ジャニ∞のファンになる前、私がすばるさんを一番最初に認識したのはソロ活動の方、「歌」をリリースした時で、一人で歌うすばるさんのことは前から知っていました。好きという感覚を持ったのは、関ジャニ∞の中ではすばるさんが一番最初だったことを思い出しました。リリースされた当時、桑田さんのラジオ、夜遊びリスナーだった私は、まさかマンピーを歌うジャニーズがいるとは思ってもおらず、それは聴いてみたいと思い「歌」を借りて聴きました。マンピーの素晴らしさはもちろん、「元気を出して」の声がとても好きでした。その時のすばるさんと今1人で立つすばるさんの帰る場所はもう違うけれど、同じ歴史を持っている。環境は変わりましたが、すばるさんも関ジャニ∞も生まれ変わったわけではなく、地続きの今があることを示しているし、そう思うことも許してくれる。その時の血は今のすばるさんの中にも流れていることを教えてもらったし、6人はすばるさんのことを忘れるわけがないことを再確認して、ようやく捻くれずに関ジャニ∞を、そして関ジャニ∞という繋がりをこれからも愛していけると思いました。

すばるさんに対しても6人に対しても、大丈夫なの?と言うのはもう余計なお世話だし、あまりに高慢なことだと思いました。それぞれがそれぞれのペースで、誰かに支えられながらこれからの道を歩いていくのでしょう。6人を関ジャニ∞と思うことと、アイドルではないすばるさんも6人と繋がっているとは両立する。どうか、関ジャニ∞も、すばるさんも、地続きの歴史を愛して、それぞれの物語を、人生を作り上げて生きていって欲しい。それらについていくことを選ぶ道を残してくれて、本当にありがとう、これからも改めてよろしくお願いします。