光を見ている

まるっと愛でる

支配された、い

「Black of night」を見つけて、聴いてしまいました。最高でした。ということで、ポチりました。相変わらずモーションが速い。

で、です。「NOROSHI」がその年のジャニーズ楽曲大賞1位だった裏で、関ジャニ∞ファンの方が口々にこの曲を絶賛していたと言うか、ひれ伏していたのを思い出して。はてブでも沢山の考察ブログがあり、安田さんが描く世界は本当にすげ〜な〜なんて思っていました。

いざ聴いて、かっこいいのはもちろんのこと、なんて難解で恐ろしい曲を作るんだこの人は、と思いました。そしてそれ以上に、あの曲の中での安田さんの憑依型の演技力、というか、表現力の恐ろしさをまざまざと見せつけられて、ちょっと唖然としてしまいました。ちょっとメモにまとめていざツイートすんべ、と思ったら収まりそうにない文字数なのでこっちに書きます。こんなテンションの私が書いているのでそれなりの重量感です!

 

 

 

 

はてブの考察記事を読むと、多くの人があの曲から生死、特に死の香りを嗅ぎ取っている印象です。

 

いつからか元の世界見失った 僕たちは
永遠に出られない 暗闇のラビリンス

 

サビに何度も出てくる歌詞ですが、この出口のない感じとか、終わり方とか、やっぱり生死に関わる世界観の歌なのかな、なんて思いながら聴いていました。

7人の歌声、佇まいともに、ある種の重さ、冷酷とも取れる静けさが漂っています。その中でもすばるさん、亮ちゃん、村上さんの声は生きる力を見失わない強さを持った声、月のように暗い中でも光る、生の象徴。横山さん、大倉くんの声は水がほとばしるような、こちらも生の象徴。丸山さんの声は生死どちらの要素も持っているけど、触ると体温を感じるような声だな、と感じました。

あの曲の中で安田さんだけは、歌声、佇まい、そして安田さん自身を、歌詞や演出、世界観に合わせて急に体温、肉体、呼吸までもすっと消してみせる。急にこの世界の中で生きる人をやめて、世界そのものになってしまう気がして、率直に言って恐怖を感じました。作詞作曲者として、あの曲を生んで命を吹き込んだのは安田さんのはずなのに、コーラスで彩りを与える役割まで果たしたのに、あの中で歌う安田さんが一番生から遠いところにいた気がして、このままどこかに行ってしまう、という危険信号のようなものを感じました。

 

 

少年倶楽部での「desire」を見たとき、作詞・すばるさんの歌声が血液を巡らせて生命力がほとばしったような歌声をしていたのに対し、作曲・安田さんの歌声はまるでベッドに一人で座り込んで孤独な情景を歌っていたように感じて、当時はすばるさんが感情・心、安田さんが言葉・頭を担っていたのかな、と思っていました。それが「Black of night」を聴き、安田さんの自分自身の存在を曲の情景に溶け込ませる力を感じ、改めて見てとんでもない人だなと思いました。

歌に自分を合わせる力もそうですが、生を消す技術を、生の感じなさと言い換えれば、それはかつて二次元分野がいたところではないかと思います。しかし、アイドルに関して言えば現在は二次元は三次元に近づき、そして二次元のアイドルはリアルさ、より生きている感が求められ、実現されています。そんなより生きている感、生身の人間との近さが求められる中で、生身の人間である安田さんは、自分の身体を消し、世界そのものになる方法を取り、その流れに逆行してみせる。アイドル=象徴の時代に戻ったというか、自らを誰も触れられない神にしてしまえる力というか、代わりのきかなさを持つ人だな、と感じました。アイドルが身近になっていく中、ステージの上、見せている自分と観衆との絶対的な立場の線引き、ステージの上や画面から出て来る流れに乗らないスタイルを持ち続ける美学と、そうできるだけの表現力、自己プロデュース力、不在になることで感じる独特の存在感、自分の分身が自分を飲み込んでしまうのを目撃したような恐ろしさ...

 

 

 

本当に、安田さんの表現力の凄さって言葉にするのが難しいです。懐の深さと技術があって成せるものなのかなと、あまりにも壮大すぎて想像することしかできないのですが、こんなことができるのは、安田さんが何でもできるアイドルの立場から表現をするからなのかなと思いました。

分かりやすい専門性を持たないことで、いつまでも半端者と軽視され認められないのって、アイドルに限らずとも、学びの場や業種によってもあることじゃないですか。その段階から抜け出してと、いうかそんなものを超越し、自分の世界を創り上げ、分かりやすいアイコンとして君臨するわけではなく、ひっそり支配者として世界を決定する。そこから素晴らしい歌だ、作品だ、パフォーマンスだと感動を得る度に、安田さんの掌で転がされているのだ、支配されているのだと寒気のような快感を覚えてしまう。ストーリーテラーであり演出家であり原作者であり演者であり、最早世界そのものになれる安田さん、マジでヤッベえな...と思ったのでした。